ネットや友人との話でよく話題になるのですが、絵が上手い人は字が上手いというイメージがあるようです。

イラストを製作している人は「やっぱり絵が上手いと字も上手いね」と言われたり、はたまた「絵が描けるのに字は汚いね」と言われたりする経験をしている方が多いと思います。

 

本当に絵が上手くなると文字も上手くなるのでしょうか?

 

 

そんなことはありません。

文字が綺麗な人が多いけれど、絵と文字は根本的に違います。

完全に違うとまでは言い切れませんし、どこかで応用できる部分は少なからずありますが。

 

卓球が上手い人はテニスも上手いよね!

と言っているのと同じです。

 

 

個人的にイラストは国語、文字は数学のような印象です。

 

まず、イラストには正解がありません。

個人によって好みがあり、その人の中には正解がありますが、世間的な基準は無いに等しいです。

等身だけでも、7等身がいい、8等身のほうが見栄えがいいなど様々です。幼児体系がいいという人も少なくないでしょう。

絵柄もリアルなタッチが好きな人やデフォルメが好きな人などがいますし、漫画やアニメは人によってずいぶんとタッチが違います。青年漫画と少女漫画を見比べるとよく分かりますね。

 

このように、イラストには好みがありますが、答えがないのです。

 

 

一方文字は、一般には教科書体や明朝体のような字が読みやすいきれいな字とされています。(書道などでは違いますが…。)

決まった文字があり、決まった形があり、決まった書き方まであります。

文字は正解があるのです。

そのため、文字とイラストを同じ観点で考えるのはいささかおかしな話だと思います。

 

しかし、字が上手くなるコツやバランスのとり方は、絵を全く描かない人よりは確実に早く習得できると考えています。

「なんとなくキレイに見えるようなごまかし」も上手いかもしれませんね。私の場合はこれです。

 

 

と、ここまでは「オリジナルイラスト」を描く身としての考えです。

「模写」の場合はとても似ています。

 

 

 

私は幼い頃字がとても汚く、コンプレックスでした。

家族から「あんたはホントに字が汚いわねぇ」とまで言われる始末。

汚いからって誰にも迷惑かけないでしょ!と開き直っていたのですが、小学校の卒業文集で皆と自分の文字が並び、とても恥ずかしかったのを覚えています。

私の学年の女の子はほとんどが綺麗な字(読むのが難解ではない字)だったのです。

私の文字も読めないことはなかったですが、キレイとはお世辞でも言えないものでした。

恥ずかしくて、しばらくは文集をまともに開けませんでした。

 

それから文字をキレイにしたいと思い始め、最初は漢字を勉強し始めました。

ですが元々勉強なんて嫌い!と思っていた私は続くはずもなく…。2か月ほどで全く手を付けなくなりました。

それならばとひらがなを、あ行から順にノートに書いていたのですが、それもモチベーションが保てず。

「キレイにする」という目的のために「否応なしに勉強をする」という状況が私のモチベーションを下げていきました。

 

でもどうしても今のままでは恥ずかしい!

その時に私が実践したのは「好きな歌の歌詞をノートに書く」ことでした。

 

当時はまだネットで曲が配信などはされておらず、CDを買ったり借りるのが一般的でした。なので、自分の今聞いているCDに入っているブックレットを見て、その文字を一字一句間違えないように書いていました。

ブックレットの文字は機械で打たれたものを選び、それを見て書くことで「バランスのとれたお手本をきちんと見て書く」こと

そして、間違えたら一番最初から書くというルールを設けることで「集中して書く」「繰り返し練習する」という問題をクリアできました。

 

自分の好きな歌なので、モチベーションを保てるし、何より歌の歌詞をきちんと知ることでより一層その曲を好きになれたのでとても楽しく続けていました。

カラオケなどで画面を見ていなくても歌えるようになりますし(笑)

 

 

私のイラストの練習と似ていました。

イラストに関しては練習だと思って書いたことはありませんでしたが…。

 

昔、鋼の錬金術師という漫画にハマっていました。そのため、よく模写をしていたのですが、何度も何度も繰り返し書くうちにお手本を見ず描けるようになりました。

(作者の荒川弘先生は筋肉が好きな方で、骨格や筋肉などに詳しいため、キャラクターのバランス、ポーズのリアリティなどがしっかりしていて、今考えるととても良いお手本だったのだと思います。)

 

模写もある程度できるようになった後は、何も見ずに描くのですが、文字の場合もそうでした。

CDのブックレットを見ずに歌詞を書くようになりました。

 

お手本を見てバランスを学び、何も見ないでかけるようにする。

という点は、模写も文字も変わりません。

 

 

模写と文字は似ている!と感じた私は文字を書く際に、漢字とひらがなとカタカナのバランスを考え始めました。

国語の先生がチラッと言っていたのですが、「文字を書くときは漢字を大きく、その他を小さくすると良い」そうです。

いいことを聞いた!と思い実践しています。本当にきれいなのかは定かではありませんが、なんとなくバランスがとりやすいような気がします。

 

字を綺麗にしたいという方は、模写をするように練習すると、ある程度の綺麗さは習得できるかもしれません。

 

 

 

少し前に、私の友人(恐らく私の関わりのある人間の中では一番頭が良く、学歴を聞く限り日本のほとんどの人よりも頭がいい。)と似たような話をした際に

「硬筆の文字を綺麗にしようと思ったことがない。そもそも自分の頭に自分の文字を書くスピードが追い付かない。綺麗にする時間が勿体ないし、その分ほかのことをした方がいい。

書道や人に見せるものをキレイに書こうと思えば書けるし、伝達の誤解を招かないように見やすいようにするけど、普段の硬筆での必要性を感じない。」

と、言われ「あっ…そうかも…。」と思ったのはまた別の話。